2009年5月19日火曜日

Timothy Ferriss


2人目にご紹介するのは、若き起業家ティモシー・フェリスです。 通常、起業家が書く本は「どうやって成功したか」とか「自分のビジネスがどう素晴らしいか」について であることが多いですが、この本は邦訳(「なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?」)のとおり、 長時間働かないでビジネスをする仕組みについて書いていています。 はっきりいって、商売の内容は特筆すべきことはありません。素晴らしいのは、自分が過ごしたいライフスタイルへ のこだわりと、それを実現するための、自分なしで回るビジネスの作り方です。あれこれ口出ししなくてもいいだけで なく、Eメールさえチェックしないで勝手に回るビジネスです。 日本人の仕事への誇りとか、細部へのこだわりとか、忙しいことの美徳とかとは正反対の考え方です。「馬鹿らしい」 「日本ではあり得ない」といってしまえばそこでオシマイですが、学べることは多いです。




本はこの一冊ですが、ティモシー・フェリス、ここ数年、いろんなところでスピーカーとして話をしています。日本に 留学経験があるのは知ってましたが、日本語の発音がナチュラルで(少し関西弁?)、相当しゃべれそうです。少々長いですが、彼の日本語もお楽しみ下さい。


Tim Ferriss: Smash fear, learn anything






2009年5月7日木曜日

Malcolm Gladwell

最初にご紹介するのは、マルコム・グラッドウェルです。Tipping Point(邦題「急に売れ始めるにはワケがある」)、Blink(邦題「第一感」)に続いて、待望の3冊目の本「Outlier」が今年になって出ました。

内容は、成功というのは持って生まれた才能や努力次第とおもわれがちですが、実は 出生のタイミングや文化など他の要因に大きく左右されることを例を挙げて説明しています。あるのスポーツのプロは生まれ月が偏っているとか、マイクロソフトのビル・ゲイツと、アップルのスティーブ・ジョブズが年齢が近いのは偶然か、なぜビートルズがヒットしたか、などです。


初回ですので、この本についてのわかりやすい対話形式のインタビューにします。




近日、勝間和代さんの翻訳で、「天才!成功する人々の法則」として出版されるそうです。邦題はビジネスや成功法則を扱っているような題になっています。誰もがもちえる不思議を解き明かし、あらたな常識をしめすのが彼のプローチですので、内容はこれらの分野にはおさまりきりません。読むと静かな感動があります。


もし彼の話がお気に入りでしたら、おそらく本にはなっていない別のもご覧下さい。スパゲッティソースやコーラになぜいろんな味があるのか、「おいしさ」の発見のストーリーです。
Malcolm Gladwell: What we can learn from spaghetti sauce








英語でみるベストセラー

翻訳天国の日本では、英語、とくにアメリカのベストセラーは比較的はやく翻訳されます。いち早く原書を手に入れて、がんばって読む人も少なからずいます。

英語で書いている作家、とくにノンフィクションの作家は、自分でオーディオブックの朗読をしたり、あちこちの講演やセミナーで話をします。英語がある程度分かれば、わざわざ飛行機に乗って出かけなくても、彼らの話をインターネット上の動画でみることができます。高くてぶ厚い翻訳を読まなくても、なかなか読み進められない原書を買わなくても、話の要旨はじゅうぶん理解できます。あるいは翻訳をざっと読んでから、英語の勉強としてみてもタメになります。

本では伝わらなかったニュアンスや、プレゼンテーションのうまさなど、動画でみるからこそ体感できることもたくさんあります。聞き取りの壁がありますが、書き言葉より、話し言葉の方が、英語も簡単ですし、作家自身がより分かりやすい言葉で語ってくれます。

週にひとりのペースで、2年で100人の作家の動画を紹介していきます。日本語もすばらしい言語ですが、英語ならではのリッチな「語り」の世界をお楽しみください。